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不満を持ったまま任期終了?【地域おこし協力隊】その①

先日まで、地域おこし協力隊をやっていました。

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地域おこし協力隊の制度は平成21年度に始まり、全国に5000人以上の協力隊経験者がいます。

その体験談や事例もたくさん積み重なってきているのに、最近特に不満を持ったまま協力隊活動を終える人が多いように感じています。

なぜか。

私は、行政(地方公共団体)・協力隊・地元の人、の三者間にある「地域おこし協力隊」像のズレだと感じました。

「地域おこし協力隊」とは

・意欲と能力のある都会の人

・外からの視点とアイデアを持っている人

これらの協力隊イメージが三者間でズレているため、誤解が生じ、不満がふくらみ解消されまいままになってしまっていると思うのです。

自身の協力隊3年間の経験から、今回はひとつ目のことについてお話します。


地域おこし協力体制度とは?

そもそも「地域おこし協力隊」についてです。これは総務省の制度です。

とはいえ、総務省から派遣されたすごい人!というわけではありません。

都会の住民票と、運転免許証さえあれば、協力隊になることが可能です。

 

概要:都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住⺠票を移動し、⽣活の拠点を移した者を、地⽅公共団体が「地域おこし 協⼒隊員」として委嘱。隊員は、⼀定期間、地域に居住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこしの⽀援や、 農林⽔産業への従事、住⺠の⽣活⽀援などの「地域協⼒活動」を⾏いながら、その地域への定住・定着を図る取組。

実施主体:地⽅公共団体

活動期間:概ね1年以上3年以下

総務省の⽀援: 地域おこし協⼒隊取組⾃治体に対し、特別交付税により財政⽀援

 

また、地域おこし協⼒隊導⼊の効果として『地域おこし協⼒隊・地域・地⽅公共団体の「三⽅よし」の取組』と、挙げています。

地域おこし協⼒隊
○⾃⾝の才能・能⼒を 活かした活動
○理想とする暮らしや ⽣き甲斐発⾒

地域
○斬新な視点 (ヨソモノ・ワカモノ)
○協⼒隊員の熱意と⾏動⼒が 地域に⼤きな刺激を与える

地方公共団体
○⾏政ではできなかった 柔軟な地域おこし策
○住⺠が増えることによる 地域の活性化

 

概要を見るとすごくいい制度ですよね。

自然豊かな環境で、人からありがとうと言われ、いいことをする暮らし。

 

しかし、そのいい制度もズレが起きてしまいがちなんです。

 

ズレ①「地域おこし協力隊」=意欲と能力のある都会の人

行政にとっては、「田舎暮らしに興味があり、地域貢献欲があって課題解決したい、スキルを持った人が来る」格好の人材がやってくる。

地元の人にとっては、「過疎が進むわが町にわざわざ来てくれるくらいやる気のある人が来る」若い人が来てくれて人手が増える・助かる。

協力隊にとっては、「今までの自分の経験を活かし、都会にはない生きがいややりがいのある人生を送れる」地域貢献してがんばりたい。

 

こんな風に捉えることが多いと思います。

そもそも、協力隊自身が協力隊に応募する目的がはっきりとしていればよいのですが、全体の何割かの人の原動力は「ここ(都会)では手にはいらない何かがほしい」「会社でコマのように働きたくない」「自分にしか出来ないことをしたい」ということだと思うのですが、何が出来るかはまだわからない状態です。

当然ですよね、見ず知らずの町へ移住するのですから。

しかし自分自身でも気づかないまま、書類審査や面接向けのかっこいいことやちょっと背伸びしたことを書いてしまうんですよね。
一級建築士の資格持ってます。古い家が好きなので、空き家やまちなみのことやりたいです。」とかですね。

当然、行政も地元の人も期待をします。ヒーローが来てくれた!と。協力隊員も期待をします。地元の人達に歓迎され、自分の幸せな暮らしが始まる!と。

 

しかし、「ここ(都会)では手にはいらない何かがほしい」→「田舎にはそれがあって、協力隊になれば手に入る」と思っていると、現実とズレてしまいます。
確かに都会には手にはいらないものがたくさんあります。でも、協力隊になっただけでは手に入りません。自分で取りに行くかどうかなのです。

 

私自身、自分自身の状態に気付いて、向き合って、実際に行動するまでにとても長い時間を要しました。

がんばるぞ!と思うのですが、やっていくとなんだか違うと感じて手が止まってしまったり、頑張れないと思って逃げ出してしまうこともありました。
前の会社に勤めていた時は「この会社にいても将来がなんとなく不安、このままでは自分の人生満足できない」と思っていました。でも、何があれば不安でなくなるのか、自分が満足するのかわからないまま、それが移住したらわかると勘違いしていたのだと思います。
そして、誰かが自分のやるべきことを与えてくれるのを待ってしまっていました。

移住や協力隊は目的ではなく手段です。その先の自分の目的は何なのか。
自分で決断して、自分自身の責任を取って前に進んでいけるか。
こんなはずではなかった、も結局は自分が引き寄せた結果です。
そのことにきちんと向き合えるか、欲しいものを取りに先へ進めるか。

大切なことだと思います。


この続きはまた次回に。

引き続きお付き合いよろしくお願いします。