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不満を持ったまま任期終了?【地域おこし協力隊】その②

前回に引き続き、なぜ地域おこし協力隊は「不満を持ったまま協力隊活動を終える人が多い」のかについて、私の感じた2つ目のズレについて書いていきます。

 

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ズレ②「地域おこし協力隊」=新しいアイデアを持っている人

行政にとっては、「地域活性をしないといけないけどなかなか打つ手なし。そこに、今までとは違う外からの視点とアイデアを持った人が来てくれる。」頑張ってもらいたい!

地元の人にとっては、「都会からわざわざ来てくれるらしい、うまくやってくれればいいけどねぇ。地域活性の難しさなんて、よくよく知っている。」期待半分、難しくて無理だろうという諦め半分。まずはお手並み拝見。

協力隊にとっては、「自分のアイデアや行動で地域に良いことが出来る。」がんばるぞー!

期待と、やる気と、諦めと、色々な思いが交錯します。

しかし、協力隊員は地域活性のプロでもなんでもありません。

前回の繰り返しになりますが、「都会の住民票」と「運転免許証」があればなることが出来ます。

しかも、協力隊員のなり手が不足しているので、地方公共団体が募集をしても定員割れをすることがしばしば。どの自治体も人材確保に苦労をしている状態です。

 

このような状況なので、行政の人は勘違いをしてしまいます。「うちの町に応募してくれた貴重な人材だ。逃したくない、何とか頑張ってもらおう。」
協力隊員も勘違いしてしまいます。「すごく歓迎されて自分はやってきた。自分がこの地域を救ってやるんだ。」(ここまで書くと極端に見えますが、少なくとも歓迎されるつもりではやってきます)
この時点で地番冷静なのは地元の人かもしれません。「なんとかしてくれたら嬉しいけど、うちの地域は難しいよ。今まで自分らが頑張ってきたけどうまくいかなかったんだからね。」

協力隊は仕事として地域活性のことを行うので、時間とお金に自由があり、人脈も作りやすい、そういうポジションです。

しかしよくよく考えると、地元の大先輩(おじいちゃんおばあちゃん)のほうがよっぽど時間もお金もあって、地域の人脈もあって、その地域での状況もよくわかっている。

それでも協力隊員は、「空き家対策頑張って」「特産品を活かした六次産業化をして」と行政に言われると「はい、頑張ります!」と言ってしまうのです。

運転免許をもっただけの都会の人がちょっと考えたくらいのアイデアでは、なかなか太刀打ちが出来ません。地元の人たちが長年頑張ってきてうまくいかなかったのですから、当然だと思います。

 

みんなそれぞれ全力で頑張っている

私が言いたいのは、行政批判でも地元批判でも、協力隊批判でもありません。

ただ、そもそもの考え方・捉え方にズレがある、このことを理解せずに頑張っても皆ギャップを感じて「こんなはずではなかった」と落胆してしまうということ。しかも更に恐ろしいのは、三者のうち二者で話をすると、残りの一者の陰口を言う可能性がとても高いということです。

 

みんなそれぞれ全力で、いいことをしようとしています。

お互いの考えていることを理解し、一緒に未来を考えることができれば、今起きている「後味の悪い協力隊のお別れ」の何割かは防げるのではないかと思います。

 

その為には、協力隊自身の一歩が必要です。

・何かいいことがあるのを待つのではなく、自分の責任で向き合うこと。

・自分自身の本当の思いや状態に目を向け、それを素直に地元や行政の人に伝えること。

自分でも気付かず、無理なことを頑張ってみたり、自分のことを過大評価してしまうこともあると思います。

時々振り返って立ち止まったり引き返す事を忘れずに、うまくいかせれば地域おこし協力隊制度は本当にいいものだと思います。

 

自身の経験を通して、協力隊になって思うことだけでなく移住者の求めるものなど、たくさんのことが見えてきました。

移住することや協力隊になることを考えている、もしくは協力隊で頑張っている方へ、少しでもお伝えしていきたいと思っています。

これから、語れる場を作っていきます。ご興味ある方、ぜひご一報くださいね。