Team360

空き家でリノベーション、民泊にチャレンジ中!

「この家は誰のもの?」先延ばしすると大変になること

空き家に関わっていると、「この家・土地は売買できない」ということがあります。

まさにそんな登記記録に出会いました。

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そもそも不動産の登記とは?
売買や賃貸をしようと思ったとき、目の前にいる大家さんが本当の持ち主かどうか、本人の主張以外確認のしようがないですよね。
登記には、その土地や建物が誰のものなのかが記載されています。
しかしこの登記は、不動産を相続しても自動では記載がされません。「わざわざ手続きをしないと」記載がされないのです。

冒頭の登記の話に戻りますが、これ、登記簿に記載された土地の権利者が69人です。

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全員の持ち分(1/69)と名前が記載されています。

なんでこんなに権利者が多いの?というと、この土地に集会所が建っているんです。
当時の地域の人達みんなで持っていたと思うのですが、69人のお名前が
力右衛門さん、次郎兵衛さん、などなど…
年代を感じるお名前がズラリ。
どう考えても、何代も相続の際登記がされていなかった模様です。

これで何が問題かというと、「今現在のこの土地の持ち主は誰なのか」ということです。この69人の配偶者、子、孫…関係する人が一体どのくらいいるのか検討もつかない状態です。
例えばこの土地を買ったり借りたりしようと思うと、誰と話をしたらいいか、さっぱりわかりません。

「この家・土地は売買できない」というのは、「今の登記の状態では、この家・土地は売買できない」ということです。

 

今回は近隣との土地の境界確認で、お隣がこの状態でした。
管理者に立ち会ってもらうことで話がついたのですが、このような状態の土地や建物が日本全国本当にたくさんあります。
今現在空き家になっているところでも、こういった相続時の登記がされていないことが障害となり、すぐに売買や賃貸ができないことが多々あるんです。

相続のことは仲の良い家族でも、亡くなった後のことを話すのは気が引ける、手間がかかるから手をつけたくない、とつい先延ばしにしがちです。
しかし手間がかかると言っても、お父さんお母さんが亡くなればさらに権利者は増え、過去を知る人も減り、たどっていくことが難しくなるばかりです。

「自分の子どもたちに何を残すのか」この手間も相続するものだと思えば、より早く解決することがより大きな価値を生み出すと思うのです。

「何をするにも今日が最短」

未来から今日までを考えたら、不動産の価値が最大なのも、面倒な手続きの手間が最小なのも、今日です。

そんな思いで、空き家の取り組みしています。

 

(それにしても、今回の登記はほんとにびっくりした!)