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宿開業への道②面積100㎡?【建築基準法編】

 前回 宿営業をしようと市役所へ行き、旅館業法についてざーっくり教えてもらったところ、色々な関連法令があることがわかりました。

今回は旅館業を届け出るために大きく関わってくる、建築基準法について調べていきます。

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元々旅館やホテルではなかった建物を活用して旅館業を始める場合には、建物の『用途変更』という手続きが必要になる可能性があります。

・住居の用途で建てた建物(家)を料理店(飲食店)にする

共同住宅用途で建て建物(アパート)をホテルにする

などが、用途の変更です。
建物の構造によっては大掛かりな改修が必要となったり、場所によってはこの変更自体できないエリアもあります。

しかし、この用途変更全ての建物について必要なわけではありません。

用途変更が必要なのは「特殊用途供用部分が100㎡を超える特殊建築物」に対して、です。

 

となれば、特殊建築物ってなに?ということになりますね。
法律では不特定多数の人が、集まったり宿泊する建築も特殊建築物と規定されているので、もちろん、旅館業を行う建物も特殊建築物です。
(簡単に判断するなら、住居や事務所以外はほとんど特殊建築物になります)

この用途変更をしようと思うとちょっと大変です。先述したとおり、改修が必要だったり、そもそも宿営業をしてはいけないエリアだったりするかもしれないからです。

でもこの用途変更の申請が必要なのは「100㎡を超える」場合です。


つまり、旅館業の許可を得る為には

・100㎡以下に範囲を限定して簡易宿所許可申請をする
・100㎡超えの建物として、用途変更をした上で簡易宿所許可申請をする

この2通りの方法があります。

 

今回計画している建物は明らかに100㎡を超えていたので、上記2通りについて両方とも教えてもらうことにしました。

 

いざ、建築指導課へ 

 

「すみません、宿営業したいんですけど、100㎡で区切って宿にするか、用途変更をしようか考え中なんです。」 

登記簿などの書類と、簡単な間取り図を持って事前相談しに行きました。

 

用途変更を行う場合

 

 「用途変更をする場合に必要なことを教えて下さい」

宿をやっていい地域かどうか、その上で用途変更の手続きをするには何が必要か、を教えてもらいます。

 

まずは、建物が建っている場所の用途地域を確認します。

市町村などは、あらかじめ「都市計画」に住居専用地域や商業地域、工業地域などの「用途地域」を定めています。

これは無秩序に建物を建てないようにするためのものです。
住宅街のどまんなかに工場や高層ビルが建ったりしたら…景観も住環境もよくなさそうですよね。
旅館業を行う事ができないエリアというものも決まっているので、これに該当しないかどうかの確認です。
これは役所の「都市計画課」や「建築指導課」などで教えてもらえます。

 

確認すると、建築当時(平成5年)、建物の建築確認申請自体がいらないエリアでした。

その後エリアの規定が見直され、今は確認申請は必要で、旅館業をやってもいい場所であることが確認できました。

 

場所の問題はクリアしたのですが、問題は用途変更の手続きの方です。
旅館やホテルに変更する上で必要な「廊下幅」や「耐火性能」の規定をクリアしないといけない(住宅よりは厳しいので、まず改修が必要になる)のですが、建てた当時は建築確認申請が不要だったので、今回用途変更をするなら新築と同様の確認申請書類も提出が必要だということがわかりました。

この確認申請については、役所の「建築指導課」などで教えてもらえます。(広島県府中市の場合はおとなり福山市が窓口になるなど、所在市町以外で事前相談や書類提出しないといけないこともあるので要確認

 

今回の建物、建ててからオーナーが2度変わっていて、手元に建築時の資料はありません…
このことを知り合いの大工さんに相談したところ、

設計事務所に依頼をして、必要書類を作成し申請するのに40〜60万円くらい

・建物改修費用数十万以上

かかるとのこと。

 

ふーむ…難しそう…

 

 

用途変更を行わない場合

 

「用途変更を行わない場合はどうしたら良いですか?」

 

担当「100㎡以内であれば、建築基準法での申請や届け出は不要です。」

 

「え、何もなしでいいんですか?」

 

担当「用途変更の手続きが不要な規模であれば、出してもらいようがないので」

 

つまり、100㎡の範囲で仕切って宿として使う分には、建築基準法はクリア出来るそうです。

 旅館業の許可をとって民泊をするなら100㎡以内に!と色々なウェブサイトに書いてある意味がよくわかりました。

 

建築基準法編 まとめ

少々拍子抜けしつつも、今回は100㎡以内に範囲を限定して旅館業の許可を申請することにしました。今後民泊がやりやすくなるよう法律も変わる予定だし、とりあえずはじめてみるのを優先にします!

前職で住宅の確認申請は出していたし、建築士の試験でも一通り勉強しましたが、実際やってみないとわからないことがたくさんありました。

久しぶりに建築基準法のテキストにもお世話になりながら、調べたり辿ったりしていくのが面白かったです。

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引き続き、前回もらった手引(↑)と各担当の方々にお世話になりながら!

宿営業への道は続きます。